「『頑張らない時代』まだまだ稼ぐチャンスはある!」井川意高×深田萌絵 No.90

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【目次】

(深田)

自由な言論から学び行動できる人を生み出す政経プラットフォームI Tビジネスアナリストの深田萌絵がお送りします。

今回は、大王製紙元会長の井川意高さんにお越しいただきました。井川さんよろしくお願いします。

今回は、先日豊田会長が「今の日本は頑張ろうという気になれない」と言ったことを言及されたことが記事になっていたのですけれども、その中で豊田会長が「ジャパンラブの私が日本脱出を考えているのは本当に危ない」と述べていらっしゃるのですが、どのように思われますか?

(井川)

いや、私もそうですね。仕事していた時は本当にそう思っていました。

いろんな理由あるけれども、例えば個人で言えば、税金が高いのはいいのですよ。全体で見てですね、いま五公五民だとか六公四民はとんでもないことだと思います。色々問題がある。個人で言えば50%以上取られて腹は立つ。1年365日の内200日税金払うために働いているみたいで腹は立つけど、払うものは払わなきゃしょうがないのでいいのだけど、その使われ方、使い道がひどすぎて、結局は既得権益の人間に使われる。

特に自動車だってグローバルで見ればすごく厳しい競争をしている。製紙業界も許認可がない。ほとんどないっていうことはイコール完全な自由競争で、戦後上場していた製紙会社は20社近くあったのが、片手で数えられるぐらい厳しい競争をしている中で、その我々が個人で納めた所得税、あるいは企業が収める法人税の使い道がひどすぎる。

結局規制に守られた既得権益の方につぎ込まれているので、やっていられないという気持ちは常にあって、日本という国は好きだけど、現状はむちゃくちゃ腹が立つという気持ちがあったので、豊田会長の気持ちがものすごくわかりますね。

(深田)

そうですよね。私の前の会社、金融機関の同僚も結構な愛国者なのに、今の日本というのはクソゲイすぎて、ここで稼ぐのは無理だと言って、シンガポールに行っちゃいましたからね。

(井川)

私の弟も私の事件の時に、一緒に株を売ってキャッシュがかなり手に入ったんで、そのまま香港に行っちゃいましたね。

(深田)

そうなのですか。

(井川)

香港は、ご存知のように金融所得、キャピタルゲインには無税ですし、所得税も多分14%か17%ぐらいなのですよね。だから日本で累進課税だとか、金融所得に税金かかってもいいと思うのですが、日本の場合、払っている人間がリスペクトされないという問題もありますよね。

政府の使い道がひどすぎるだけでなくて、それでこの恩恵に浴している人間が、その税金払ってくれている人間に対して、まだ金持ち優遇だとか。いやいやいやこっちは50%取られているのに何が優遇だよという。煽るマスコミが悪いのですが、税金払っていない人間が税金を払っている人間に対する態度のでかさが気に食わないですね。

(深田)

いや税金の名前を、消費税をやめて「贅沢税」を導入して、贅沢税の名前を「チャリティ税」って名前を変えたらいいと思うのですよね。

(井川)

なるほど。いいアイデアだと思う。

私がXで時々批判しているヒロユキ氏が、少し前に600万円以下の年収の人、平均して日本ではざっくり言って600万円以下の人は払っている税金よりも受けている公共サービスの方が多い。だからそういう意味で言うと、年収600万以下の人は、年収600万以上の人に、やっぱりリスペクトの気持ちを持って欲しいと思いますね。

(深田)

本当ですか。でもそれだけ稼いでいる人ってすごいですものね。女性なんか年収500万円以上稼いでいる人が女性の中では13%ぐらいしかいないので、やはりそれだけ稼ぐってすごいなって思いますし、それ以上にやっぱりどうやったら1億円とか稼げるのかなとかね。

(井川)

カジノで二張当てる。

(深田)

良い子の皆さんは真似しないでください。

(井川)

いや、冗談はさておきですね。

(深田)

この日本が努力するに値しない社会だというのは、自動車産業がずっと国からいじめられてきた経緯があるのですけど、その他にも農業も国がいじめてきた。種子法とか種苗法改正で、この国の政府が農家をいじめてきたとか、私のいるエレクトロニクス業界などだと、政府が独占禁止法で日本企業を取り締まるのに、中国系とか外資系は絶対取り締まらないとか、これものすごい不公平がずっと続いているのですよね。製紙業界ではそういう不公平はなかったのですか?

(井川)

製紙業界は、監督官庁が今の経産省、かつての通産省ですけれども、許認可がないものですから、それでいて偉そうにするのですよ。生活産業局紙業課っていうのがあるのですけどね。

(深田)

一応、製紙でもあるのですか。

(井川)

一応あるのですが、かと言って何か法律上でその指示や許可や認可を与える権限ってのはないのですね。でもやっぱり何かあると、一応形のメンツを立てて、何かあると報告に行くと、偉そうにするわけですわ。東大の法学部出た、世間を何にも知らないような30代、40代の人ですからね。

(深田)

ロクでもないですね。

(井川)

いちおう専門家と話しができる分野が3つあって、もといた紙パルプ、もう1つは自動車大好きなのですよ。刑務所にいた間も買っただけでなく、自動車関連の出版されているものはほとんど全部読みましたし、あとはギャンブルと、この3つはですね、専門性を持って話すことができるのです。

(深田)

すごいですよね。幅広い。

(井川)

豊田会長の怒りの1つはですね、例えばE Vの問題ですね。今の経産省にしたても何にも知らずに、E V 、E Vと言って、もう孤軍奮闘、豊田会長だけが内燃機関が敵ではないと。C O2が、カーボンが敵なのだから、いろんな方法はあるはずだと言ってですね、結局世界的にそっちに戻ってきたじゃないですか

(深田)

はい、そうですよね

(井川)

経産省も結局世の中知らないから、その青二歳の役人どもはですね、例えば自動車が大体1台作るのに2万点とか3万点の部品が必要で、それだけ裾野が広いわけじゃないですか。アナリストの深田さんだとよくご存知のように、それがE Vになっちゃったら、あれでっかいラジコンですからね。でっかいプラモデルになっちゃうので、それだけ裾野が枯れてしまうことになりますし、だから産業政策としても間違っていますし、環境問題としても間違っているので、そりゃ豊田会長も嫌気がさすのも無理ないと思いますね。

(深田)

そうですよね。これだけその550万人というね、労働市場を支えている自動車産業で、一番頑張っているトヨタを日本政府がいじめているわけですから、やるせないですよね。ところでお持ちの自動車の時価総額おいくら万円ぐらいなのでしょうか

(井川)

もう乗らないので全部売っちゃって、4、5年前に全部売っちゃって、全部カジノに寄付しました

(深田)

売った時は時価おいくらぐらいだったのですか?

(井川)

今みたいにバブっていないですが、どうでしょう。フェラーリやポルシの限定車みたいなも含めてどうなのでしょうね。買った時が4、5億ぐらいで、売った時もそのぐらいの感じじゃないですかね。今持っていたら、倍ぐらいになっていたかもしれないです。

(深田)

今すごくバブっていますよね

(井川)

アルファードだって納車1年待ちとかね、あのプレミアムがついているみたいですからね。

(深田)

そうそう本当にトヨタさんに頑張ってもらわないといけないのですけれども、今の日本でその頑張る気になれない一番のところは、やはり税金が正しく使われていないからというところですか?

(井川)

突き詰めるとそうだと思います。やはりなんと言うか、やはり努力しているものが報われない。頑張っている人間が報われない社会になって、制度利益を得ている業界が多すぎる。個人的にね、お医者さんを攻撃する気はないのですけれども、制度として見た時にです。社会保険料平均年収が400万と言われている日本から、そこから社会保険料というか医療保険を吸い上げて、それで収入を得ている開業医の平均年収が3000万近いとかですね、保険料を収めている人間の平均年収が400万なのに、そこから成り合いを得ている開業医が3000万近い年収だとか、勤務医が2000万以上だとか、これはどう見ても社会的不正だと思いません?アンフェアだと。不正とまで言わないけどアンフェア、不公平不公正だと思いますねやっぱりね。

(深田)

私は一番不公平だと思うのは、外資の製薬会社がですね、ものすごく高い新薬を出すのですけど、そっちはバンバン認可が下りるのに、日本企業が開発した少し安めの新薬は全然許認可が下りないとか。

これもすごく頑張り甲斐のない社会を作っているなと思うのですよ

(井川)

やっぱりなんだかんだで、アメリカもかなり腐っていますけれど、やっぱりアメリカのいいところは、最終的にやはりアメリカ人を一番大事にするのはフェアネスなのですね。アメリカで一番言われて相手に対する、一番大きな非難の言葉は“イッツアンフェア”ですね。私がアメリカで仕事で行ったり来たりした時はです、やっぱりこれをアメリカで言われたら一番堪える話しなのだよと言われましたけどね。

(深田)

でも日本人って、不公平、不公正とか不正義、理不尽を、普通に飲み込んじゃうところがありますよね。

(井川)

えらく平等が好きなくせに、イコール、イコールってのは好きなくせに、フェア・アンフェアというのにすごく鈍いですよね。

(深田)

そうなのですよ。あれすごく理不尽な目に遭っているわけじゃないですか。あのLGBT理解増進法でも、やはり女性専用の空間に男の人が入り込んでくる問題があったりして、女性の権利が侵害されていると訴えても、いやいや向こう側の人の権利が大事だからと言って、私たちの権利は下なのですかみたいなことが起こっていても、女性がなかなか声をあげないという問題もあるなとか。あとはこれだけ物価が上がってキツイのに、その増税、消費税増税ですとかいろんなステルス増税をなんとなく受け入れてしまう、インボイス制度もそのまま進んでしまうという、こういったところに意外と日本人が声をあげない。そこはどういった背景があると思いますか?

(井川)

私はもう江戸時代からの、もう、お上の言うことことはいい諾々と受け入れるっていう体質が、江戸260年ででき上がっちゃったからじゃないかなと思いますけどね。

(深田)

江戸の間に日本人は飼い慣らされてしまった。

(井川)

そうですね。その後の明治維新だって、実際には延長線上ですからね。これフランスだったら今ごろ毎日暴動起きていると思いますよ。

(深田)

絶対に起きますよね。こんなのありえないなと思うのですけど。

(井川)

子育てにしたってですね、子育支援って言ったって、結局全部中抜きじゃないですか

勤労世帯から召し上げて、勤労世帯に配るわけですから、召し上げたところで中抜きが起きているだけですから。

(深田)

そうそうそうそう、お金がないから結婚できない、結婚できないから少子化って、その中で、もう子供ができてる人に、お金がないから結婚できない人の財布からお金を取り上げるってめちゃくちゃ残酷だと思いませんか。

(井川)

おっしゃる通りですね。結局全部役人と政治家がそこで中抜きで、金を取ろうという仕組みですからね。

(深田)

そうなのですよ。だからやはりね、この中抜きの仕組みを残している限り、私たちがちょっと頑張ろうと思っても、これどうせ頑張っても税金で取られて、あいつらここに入れているのだろうなとなっちゃいますものね。

(井川)

マクロで見ても、国民負担率は50%を超えた、いわゆる五公五民の状態ということは、働いても得しないということですからね。マクロで考えてもですね。

もらう側に回っちゃえばいいので、金額の大きい少ない別にしてですね、理屈から言うと働かない方が得くという、国民負担率が53%ということはですね。

(深田)

いや本当にそうです。若い人などもう、そのもっと働いて収入を増やすよりも、もっと働く時間を減らして、少ないお金でミニマムに暮らす。そちらを選択していますものね。

(井川)

それの方がやはり懸命な選択ということになりますからね。経済学的に言ってもですね。

(深田)

そうですよね。でもその発想って、私の世代ぐらいまでは、まだ私はロスジェネ世代なのですけれど、恵まれない世代の割には、まだ頑張ったら何とかなるかもという最後の夢があったのですけど、そこから10歳ぐらい下のジェネレーションは全然そういう気持ちにもならないというがかわいそうだなと思うのです。

(井川)

そこに対してですね、発想ちょっと変えるとですね、だからこそねブルーオーシャンって考え方もあるのですよね。

(深田)

ブルーオーシャン。

(井川)

だって皆が頑張ろうとしていないのだから、ちょっと頑張ったら成功する可能性もあるわけですよ。

(深田)

それ思います。

(井川)

でしょ。今Z世代とか、あまり世代論はあると思うのですよ。世代の特徴ってあって、最近の若者はと、それは言わないことにしているのですよ。最近の若者はこうだけど、だからダメとは言う気ないのです。だってその若者が育った社会環境って、我々が作っているわけですから、自分たちのことを言うようなことですよ。

(深田)

申し訳ございませんという感じですけれども。

(井川)

そういう中で、私もアシスタントで使っている学生とかですね、20歳前後の人間を使っていて、やはりZ世代だなというのは、見たら分かるのです。

例えばですね、私のタバコを持ってきてと言ったら、分かりましたってタバコだけ持ってくるわけですよ。ライターもというと、ああそうですねとライターを持ってくる。灰皿はと言うと、なんでいっぺんに言ってくれないのですかと。

それに対して私のやはり本当によく気の効いたアシスタントをやってくれていた人間は、その上にですね、換気扇をつけなくてもいいですかとまで言うようなタイプだったのですね。

社会に出てもやはりその腫れ物を触るようにすぐ人事部に飛び込まれるのが嫌だからと上司が叩かないじゃないですか。鍛えないじゃないですか、みんがそういうぬるま湯の中で、どっかで厳しくされた人間、その気の効いた人間は、やはり学生時代に2箇所ぐらいインターンに行っているのですね。たまたま厳しいところで、叩かれたものだから、こいつ社会出たら一気に使えるやつだなと思うわけですよ。そういう社会だからこそ気の効いた人間には、頑張れる人間にはブルーオーシャンじゃないかなと思っている。

(深田)

いや確かにそうかもしれないです。私の時も25年ぐらい前が20歳なのですけど。

2000年頃にIT革命があってですね、あの頃ヤフーオークションが始まったのですよ。あれで私は手取り12万5000円のO Lが、なんとヤフオクで月2、30万円稼いでいて、ものすごく頑張ってやっていたのですよね。だから意外と頑張ればなんとかなる社会なんじゃないのかなって思うのですよ。YouTubeも頑張ったら。

(井川)

まあね、頑張らずにふんわりやっていて、こんなになるのだって。結構ね、なるほどだなって、もっと早くやっときゃよかったと思ったのですけど。

(深田)

そうですよね。ブルーオーシャン。

ということで今の日本頑張っても報われないとかね、そういう風に思っている人もいるかもしれないですが、そう思って諦めて頑張らない人が増えた分だだけ、チャンスがあるというですね、井川さんのありがたいお話をいただきました。どうもありがとうございました。

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