#70― 柴田哲孝×深田萌絵「『暗殺』著者が語る右翼と軍産複合体」

(深田)

その大物のヒントはありますか?

(柴田)

いや、僕もよくわからないですね、それは。

(深田)

台湾で「ラファイエット級フリゲート艦事件」というのが90年代にあって、そのバックにはマフィアがいました。

それが日本の右翼の大物であるとか、反共団体とか、ここで描かれているフィクションの世界なのですけれど、そこと繋がっているのです。

その事件で何があったかというと、台湾がフランスのタレスだったと思うのですが、そこからラファイエット級フリゲート艦を買う時に、2倍の値段になったのです。

(柴田)

ああ、よくありそうな話ですね。それは聞いたことがあります。

(深田)

それが国際事件に発展してしまったのは、その取引に関わっていた人が変死体で見つかって、それを調査しようとした人たちを含めて、20人弱ぐらいが突然死しているのです。

(柴田)

それだけ巨額な利権が絡むと、そういうこともあり得るでしょうね。

(深田)

お金の一部がキックバックされるという契約があって、そこに時のフランス大統領ですとか、中華人民共和国の有力政治家の名前も入っていて、お金はスイスのクリアストリーム銀行に何兆円も入って、裁判でずっと争い続けたという不気味な事件があったのです。

今回、トマホークも倍の値段ですよね。

(柴田)

トマホークの一件は、随分前にジャーナリスト仲間に聞いていたのです。やはり倍くらい。

「イギリスに売った値段とか、イスラエルなどに売った値段に比べたら倍以上だよね」という話は当時からありましたね。

(深田)

そうですよね。

防衛費を増やすことは保守派の願いというか、右派はずっと防衛費を増やそうと主張していて、私自身も防衛費を増やすのは悪いことではないと思っていたのです。

(柴田)

僕もそうだと思います。

(深田)

やはり自衛隊の現場の方の待遇とかをもっと上げてもらいたい。

(柴田)

そうですね。

(深田)

カレーを食べたぐらいで処分されるとか可哀想です。トイレットペーパーも自分で用意しなくてはいけないとか、いろんな不遇な話を聞くわけじゃないですか。

やはり現場の士気を高めるために、もっと待遇を上げてもらいたいから、防衛費を上げてもらいたいとは望んでいたけれども、アメリカの在庫処分…

(柴田)

そのためにね。それはおかしいですよね。

(深田)

しかも、在庫処分セールですらなくて、倍の値段になったというね。

倍の値段になったそういう不可解な動きと、台湾で兵器ディーラーがキックバックをもらう仕組みを作っている人たちと繋がっているカルト宗教や反共団体が、全く同じ構図だなと。

(柴田)

そうですね。

実はトマホークのことを書いてあるけれど、アメリカから買っている武器でおかしいのは、それだけではないですよね。

「F35」もそうですよね。アメリカでは今はもう使わない方向になってきている旧型機をまた生産して、なぜそれを日本が100何機も買うのかとか、そういうことも含めて。

ただ、日本人はそういう話を聞いても、誰も不思議に思わないというか、知識がないのか素直なのか、誰も文句を言わないのですよね。

(深田)

言わないですね。

(柴田)

選挙の時にそんな話を誰もしないですよね。野党の人間もそこを突っつかないでしょ。おかしいですよね。

(深田)

本当に。日本の野党で与党の闇に本気で切り込んでいる人はいないですよね。

野党が騒いだのは「森・加計」くらいじゃないですか。

(柴田)

そうですよね。昔はいたのですけれど、そういう方が消されてしまったというような事件もあったりなんかしたのでね。

(深田)

確かに、突然自殺をされたという報道もありましたよね。

(柴田)

暗殺された方も。

その1つ1つは、書けること、書けないこと、我々にとっても色々あるのでしょうけれども、さっき言っていた5紙の見出しが全部揃った時に、「私たちは、なんというパラレルワールドに住んでいるのだろう」と、そこに気づいてほしいなと思うのです。

(深田)

本当にそう思います。

私自身も保守的な言論人の方の言説に賛同することもかなり多くて、たぶん世の中的には中道右派ぐらいに見られている。

確かに、日本の伝統であるとか、天皇陛下を中心とした国だということには賛同できるのです。

だからといって、カルト宗教の人たちと神道が連携して政策を書いている、ここはちょっと受け入れがたいものがあるかなと。

(柴田)

そうですね。肌がざわつくというか、嫌な感じはしますね。何か不快感が。

(深田)

単純な不快感というよりも、そのカルト宗教自体は日本では愛国運動をやっているのですが、本家本元の韓国では反日をやっているわけですよ

しかもその支部は、ワシントンDCで反日をやっているわけですよね。

(柴田)

それで日本に来ると、日本でも「お布施」と言って、信者を集めてやるわけでしょ。

(深田)

だから、彼らのワシントンDCでのロビー活動は、日本で愛国を装って集めたお金でやっているわけです。

(柴田)

そうですね。彼らに言わせたら、日本人は「サタン」とか「悪魔」ですからね。

そういう風にして続けられているのに、逆に我々のところに来ると信者が増えて、そこから莫大なお金が流れていく。それもちょっとおかしいですよね。

(深田)
そうなのですよ。だから根本的に構造的におかしいのに、日本国内では「愛国っぽいことを言っているから連携しよう」と言って、連携している保守派の人は結構いるのですよね。

でも、それって「我が国の癌」ではないのかという…

(柴田)

そうですね。「癌」という言葉は、しっくり来るかもしれないですね。

(深田)
取り除こうとするとそのまま政権が崩れるというか、自民党そのものが崩れることになりかねないぐらい根が深いわけじゃないですか。

私自身も調べてみると、そういう反共団体から来ている自民党の秘書さんはかなり多いですし、カルトから来ている人は「私設」として名前を登録すらしない形で働いているわけです。

政治家が全ての法案を読んだり、賛成反対とか意見を言ったりできるわけではないので、秘書さんたちが政治家の意見を作っているわけじゃないですか。

(柴田)

そうですよね。

(深田)

秘書さんがレクをしている。秘書さんが官僚のレクを受けて、それを箇条書きにして、用意しているわけです。

そういうことを思うと、この国の政治家は、もしかしたら、カルト宗教とかそういう変な団体にかなり洗脳されて言わされている。

自分たちはそうだとは気がついていないけれども、「普通に教えてもらったもの」として、議会でそれをそのまま発言して、自分たちの国が知らない間にカルト宗教の望む方向に進んでいっているのではないのかなという恐怖を、私は感じています。

(柴田)

だから、さっき深田さんがおっしゃったように、カルトだろうが何だろうが、「反共」なら何でもいいのか。

そのために、共産党がうまいこと利用されているだけで、「反共」だったら何処とでもみんな結びついてしまって、選挙に行って投票する人間も、自分はどこに投票しているのか分からなくなっていく。

「この人も反共なのでしょ」ということで投票していく。なんだか変な流れができてしまっているのですよね。

(深田)

「反共産党」だからそれでいいのか。

国民生活のこととか、税金が重た過ぎるとか、いろんな国民負担のところで現実的な話が右派からあまり出てこなくて、精神論的な「昔の日本は良かった」ばかり。その「昔」というのは江戸時代ではなくて、昭和とか明治とか、あの時代が良かったと。

「神道が国教だった」とか、「靖国にみんなでお参りしましょう」という精神論に終始していて、「現実の国民生活をどうやって向上させるのか」ということには完全にフタをされているというか、触れられることもないという…

(柴田)
そうですよね。税金がどんなに高くなろうが、年金が安くなろうが、受給する年齢が60歳から65歳、今度70歳と上がっていくことに誰も文句を言わないですよね。

(深田)

そうなのです。誰も文句を言わないです。

(柴田)

以前、フランス人の友達が来た時に、「年金の受給する年齢が上がる」ということをニュースでやっていて、ちょっと反対しているニュースか何かを見て、「これ何を言っているの」と聞くから、僕は「年金をもらう年齢がちょっとまた遅くなるんだ」と答えた。

そのフランス人は首をかしげて「なぜ日本は暴動が起きないの」と聞くのですよね。


そして「選挙でまたこの人たちに投票する」と言ったら、フランス人は「ウララ」と言った。「分からない」と言うのですよ。

でも日本人はそうなのですよ。素直にそれを全部受け入れてしまうのですよね。

(深田)
そうです。受け入れてはダメなのです。私は、気に入らないことには反対運動を結構してきました。

(柴田)

やるべきだと思います。

(深田)

私は仕事で海外が多いので、アメリカなどに行くのですけれど、やはり受け入れてはいけないものには、きちんと自分たちの意思を表示して反対しないといけないと思うのですよね。

そういう部分は日本人すごく弱いなと思っている。

だから今回も「愛国保守と言ってカルト宗教が入り込むことは、お断りしたい」と言わないといけないと思うのです。

(柴田)

そうですね。今がチャンスだと思うのです。

一切を排除すべきだと思うのですけれども、そこまではいかないですね。

(深田)

いや、できないのですよ。

なぜかと言うと、やはり保守の言論誌は数が少ないですし、そこで活躍されている人たちも結構関係が深かったりするわけなのです。

だから「癌」と言ったのは、切り取ろうとすると言論界を支えている中心人物の何人かも対象になってしまうから、なかなか一掃することができない。

逆に、彼らは政界だけでなく、言論界にまでそれくらい浸透しているから、絶対に完全除去ができないという、こういう構図なのかなと思う。

(柴田)

なるほど。それはあるかもしれないですね。

(深田)

私は、保守の言論界からは干されているのですけれど、それは、カルト宗教と密接に繋がっている台湾のマフィアですよね。彼らの利権構造を明らかにした時に、保守の言論界の重鎮というか、台湾の方が1本電話を入れて社長に文句を言って、それで全部切られた。

私がそれまで出ていた動画も全部削除。全てが削除された。

だから、それぐらい影響力を持っているのです。

ところが日本人ではないのですよ。日本の民族系右翼なのに、日本人ではない人の言いなりなのです。

(柴田)

日本が今、どこに行こうとしているのか分からないですよね。

(深田)

おそらく「上部構造」と「下部構造」に分かれている。

「グローバリズム」という言葉にすると簡単なのかもしれないのですが、「一般国民」と「グローバリズムを推進している人たち」、ここには右翼も左翼もいるのですよ。

(柴田)

そうですね。昔からそれはいますよね。

(深田)

極右と極左が仲良くして。

(柴田)

お互いに転向したりしてね。それは戦前から繰り返されているのです。

(深田)

そういう人たちが増税をして大企業を優遇して、見た目だけの経済は成長。「株価は上がって、国民生活は無視」ということをなんだか推進しているのかな。

(柴田)

ですね。株価が上がったのだって、これだけ円が下がってしまうと、円換算ではどうやっても上がるわけです。

ドル換算で言ったらそんなに上がってないですよね。多少は上がっているのかも知れないけれど、アメリカが上がっているほどは上がっていないです。

(深田)

今、もう1ドルが160円を超えてきました。「170円を超えると輸入物価が13.5%上がる」と言われています。

そういう日本の経済構造の中で、まずは円安を止めないとインフレ対策も何もできない。

(柴田)

できないですね。このまま円がどんどん安くなっていったら、日本の国力そのものが弱くなってしまいますから。ある一定のラインを超えてしまうと、もうそこからは浮き上がれなくなるのですよね

もうそろそろ、そのラインが近づいていることが分かっているから、最近、日銀もちょっと焦り始めているのかなと思うのですが、「時すでに遅し」の感もあるなと思っているのです。

(深田)

日本の産業構造もすっかり変わっていて、製造業で輸出するものがたくさんある時代だったら円安でもいいのですけれど、90年代に工場を全部海外に出してしまったわけですよ。

なので、今円安になっても、輸入しなければならないものの方が多いから、メリットが受けられないのですよね。

(柴田)

そうですよね。だって、日本人が日本の自動車を買うのに、海外で作られた日本車を買っているわけですから、当然値上がりしますよね。

自動車メーカーは日本で売っても儲からない。「今はドルが高いから、ドルを使ってくれる国に売った方がいい」となる。

日本だと「半導体が入らないから、ちょっと車の納車が遅れます」という、あれは嘘でしょ?世界ではいくらでも売っているのだから。

(深田)

はい。嘘ですね、半導体不足が起こっているのは。

車載チップの世界で言うと、日米欧は半導体不足の影響を未だに受けているのです。でも今は、もう半導体なんか余っていますよ。

余って値崩れしている部分もあって、中国では生産調整までやっているわけです。

それなのに日本では手に入らないという原因は、車載チップはその7割が台湾の工場…

(柴田)

そうですね。熊本にも今度大きなものが来ますが。

(深田)

あそこで作られているわけですよ。

そのメーカーのバックにいる台湾マフィア、これは大陸から来ているのですけれども、そのマフィアが兵器の売買のディーラーの一部のグループで、例の「クリアストリーム事件」ですね、ラファイエットを買った時のお金がクリアストリーム銀行に1兆円ぐらい入っているというあの事件に絡み、そして、日本のカルト宗教や反共団体に深く入り込んでいるという構図になっている。

なので、柴田さんの著書を読んで「あっ、そういうことなのだ!」と。

(柴田)

かするように書いてありますけどね。

(深田)

かするように書いているのですけれども、だからこそ、リアリティがずんと来ると思いました。

今日は本当に、1時間たっぷりありがとうございました。

(柴田)

どういたしまして。お呼びくださってありがとうございます。楽しかったです

(深田)

私も楽しかったです。

本当は1つ1つ偽名の部分を挙げて、「この人、実は誰のことだったの」とか聞きたかったです。

(柴田)

別に誰ということはないです。フィクションですから。

(深田)

でも、1個1個ググって楽しむお楽しみがあります。

(柴田)

すごいですね、付箋がいっぱい貼ってあって。

(深田)

いや面白かったです、これ本当に。

(柴田)

面白かったと言っていただければもう幸いです。

(深田)

それでは視聴者の皆さんも、是非ともこの『暗殺』、書店やAmazonでお求めください。

柴田さん、今回は本当にありがとうございました。

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