#27ー吉野敏明×深田萌絵 『日本の高額医療費の犯人』

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく、政経プラットフォーム、ITビジネスアナリスト深田萌絵がお送りします。今回は医療問題アナリストの吉野敏明先生にお越しいただきました。先生よろしくお願いします。

(吉野)

前回は医療費そのものの、国民皆保険制度の歴史とその問題点について言いましたけれども、今日は高額療養費制度の問題についてお話をしたいと思います。

高額療養費制度は、特に癌の治療が億円の単位でかかるようになってきています。

3割負担で、例えば治療費が、退院する時に「1億8000万円かかりました。3割負担です。3千数百万円払ってください」と言われたら払えないです。

(深田)

破産します。

(吉野)

誰も払えません。抗がん剤は、昔はプラチナ製剤だったら月6万円ぐらいでした。6万円が1億円程になっているわけです。

(深田)

社会保障が破綻すると言っても、製薬会社の製薬の値段が高すぎるだけなのではないのですか。

(吉野)

そうです。かつて製薬会社は創薬(薬を作る)ビジネスなのですけれども、その薬の薬価というのがあり、新しい薬は高いのです。研究開発するのにお金がかり元が取れるようになったら安くするというシステムで、日本の製薬会社を研究・発展させて新薬を作る。それが産業にも結びつくというところがあり、少しおかしいのですが、それはギリギリ我慢して理解するとして、それが今、外資に乗っ取られているから、そのお金は吸い取られているわけです。

(深田)

私も、政治家の先生の勉強会で、厚生労働省の官僚で偉い人が出てくると、その時は外資の製薬会社の社長がわんさかいて、その勉強会が終わった瞬間に長蛇の列ができるわけです。それで名刺を交換する時に「今度食事でも」と言いながら、すごく高級なレストランで接待をして新しい新薬を認定してくれという話を、どうもしていると思っていました。

(吉野)

その通りです。例えば去年の今ぐらいに、認知症の新しい治療薬が承認されました。脳にβアミロイドというのが溜まってアルツハイマーが進むのですが、βアミロイドを付き難くする、阻害する薬で、これがあれば認知症の人が減って社会保障費が減るのではないかというのですが、その認知症治療薬が年間3000万円です。

(深田)

大変な値段ですね。

(吉野)

それから、よく糖尿病の薬を使って、おしっこに糖を出してしまうと血糖値が低くなるから痩せるわけですけれども、それを痩せ薬として自由診療で美容クリニックなどが使っていたのです。ところが、これは目的が違う、目的外使用でいくら自由診療だといっても、本当に糖尿病の人の薬が足りなくなったらどうするのかと、すごく厳しい指導があったのです。

1年後ぐらいに、その薬が痩せ薬として日本で認められて、外国から輸入して出ているのです。

(深田)

わけがわからないことになっていますね。

(吉野)

これは医者も知らないのです。しかも自分が、利益の出る側にいて視野が狭いから、政治の話、経済の話、財政の話と自分の日々の治療が繋がらないわけです。

(深田)

そうですよね。

(吉野)

それでも医療費が少ない時は良かったのです。前回の保険の話もそうですが、問題だらけで、お金が儲かっている時はそれでいいのです。ところが今はそうではないわけです。

(深田)

そうではないですよね。

(吉野)

今、財政の支出で1番多いのは医療費なわけです。医療費を含めた社会保障費で、37兆円です。昔はだいたい1983年ぐらいまでは、医療費が6兆円、国防費、防衛費も6兆円、建設費も6兆円、文教教育費も6兆円、全部で6兆円×4で24兆円だったわけです。

(深田)

バランスよく配分されていた。

(吉野)

そうです。他に国債の利払いに使ったりして、だいたい昔はそのぐらい。40兆円から50兆円ぐらいの規模の一般会計だったわけです。これが今、100兆円を超えているわけです。医療費以外はずっと6兆円ぐらいです。例えば防衛費が7兆円に、建設費が5兆円になっている。若干変動はありますけれども、その程度の誤差です。どうして社会保障費だけ6兆円が37兆円になっていいのですか、という話です。

(深田)

そこですよね。

(吉野)

それで払いきれなくなっているわけです。6倍半ぐらいです。6%ではないです。6倍、600パーセントです。普通おかしいと思いませんか。

(深田)

絶対におかしいと思います。社会保障が破綻しそうだとニュースが出るたびに「高額医療を何億円もするような、製薬や治療にお金出すからですよね。もっと安いものがあるのではないですか」と思っていたわけです。

(吉野)

私が言っている病気偶然発症説に基づいているわけです。病気になったのは運が悪かった、保険で直すのだ。食べ物など関係がない、お風呂など関係ない、運動も関係ない、そうなるわけです。例えば、マラソンをしていると体にいいとか言いますけれど、本当は、有酸素運動は循環系の疾患や癌をすごく作るのです。走って、走って走りまくるのは体に良くないわけです。みんな間違えたことを延々とやっているわけです。

病気が偶然起こるのではなくて生活習慣から起こるのです。本当に保険で診なければいけない人というのは、例えば地震で怪我をした、津波で大怪我をした、天災は保険で診るしか方法はないでしょう。それから、避けられない事態です。生まれつき、遺伝的におかしかった、出産時のトラブルでなってしまったというのは、それこそ保険で診るべきものです。あとは、会社が潰れた、クビになった、貧乏になった時はしかたがない。私が、ここの本に出ていますが、「本当に正しい医療が終活を変える」この時に色々計算しました。年収が240万円までだったら今のままでいいです。240万円を超えたら、もう2階建てにしなければだめです。車の自賠責保険と任意保険みたいにして、自分できちんと健康管理ができてない人は保険料が上がるわけです。自動車もそうです、スポーツカーだというだけで保険料が高い。赤くなったり黄色くなったりすると、どんどん高くなるわけです。ところが商用車は安い。なぜなら事故を起こす確率が低い。人間だけは全くそれがないわけです、おかしいでです。

(深田)

おかしいですよね。

(吉野)

建物もどこにあるかで保険料が変わってくる。何も計算してないのがおかしい。僕は、根本的には病気偶然発症説をギブアップして、やめるしかない。病気は自己責任で起こるものである。偶然起こるのではない。例外は保険で出すというだけでいいと思います。

自動車保険はそうではないですか。酔っ払い運転、居眠り運転は、何もかも一律に全部保険でみてもらえない。

犯罪に近くなっているわけです。自動車保険みたいにしなければいけない。弱者のところは年収が240万円です。

(深田)

確かに240万円からですよね。

(吉野)

上は民間保険と同じ考え方を入れてやります。当たり前ですけれども治療しても治らないものに対しては治療費を出さない。あとは失敗ばかりして医療事故を起こしている人には報酬が出ないようにする。当たり前の話です。

(深田)

本当にそうだと思います。

(吉野)

韓国は太っている人が少ないのは、肥満だと保険料が上がるのです。

(深田)

そうなのですか。それは理にかなっていますね。

(吉野)

アメリカも一生懸命にやってスポーツクラブができたりしたのは保険料が高くなるからなのです。日本には何にもない。結局、病気偶然発症説だと、どんどん治療費が高くなる。払えないからどうしようかと言って、できたのが高額療養費制度なのです。これは1ヶ月あたりの治療費が80万円を超えるとこの制度が使えるようになるのです。例えばこの辺だったら中央区、市町村だったら調布市や、横浜市などへ行って申請するわけです。医師が書いて、その計画に基づいてお金を払うわけです。足りない分は4分の1を国が出して、4分の3は地方自治体が出します。これもケースが少なければいいのですが、高額療養費そのものが年間1兆1385億円かかっている。

(深田)

1兆円

(吉野)

それ以上に我々が払っている保険料が高くなっていると思いませんか。

すごく上がっているのです。

(深田)

どれくらい上がっているのですか。

(吉野)

国民皆保険制度にした時は国民所得に対する割合が20%ぐらいだったのです。今は48.4%、約5割です。

どんどん保険料も上がっているわけです。なんとかしないといけないです。今、いわゆるサラリーマンの保険、社会保険では所得に対して18.3%ですので約2割です。

(深田)

高いですよね。

(吉野)

ざっくり2割は取られているわけです。

(深田)

始まった頃は3.何%ぐらいでした。

(吉野)

昭和25年で2.3%、今が18.3%なので、物価が上がっても同じ比率なら確かに金額は上がってもいいのですが、物価も上昇するのに比率も6倍になっているわけですから、とてつもない金額です。

(深田)

我々の給料は30年間上がっていませんからね。

(吉野)

本当におかしくて、病気が偶然になるものだというのをやめないと、永遠に上がるわけですよ。

(深田)

そうなのですね。少し話が変わってしまうかもしれないのですが、よく70代ぐらいの人に「最近の若い人が結婚しないのは女性がわがままになったからだ」と言われるのですが、そうではなくて給料は同じで負担率が上がっていて、私たちの使えるお金が少ないのです。

(吉野)

全くその通りです。要するに貧乏になっているからです。これは財政の話も本当に絡んでくるので総合的に見なければいけないのですが、1番の犯人が医療なのです。

(深田)

本当におっしゃる通りだと思います。37兆円という額を見ると、どう見ても使いすぎだと思うのです。

(吉野)

一般会計の話だけでもそうなのですが問題は特別会計なわけです。特別会計で使っている金額は、だいたい予算の規模としては200兆を超えています。その中で社会保障費関係、特別会計は95.2兆円なのです。

(深田)

半分ですか

(吉野)

95.2兆円です。約半分です。

(深田)

95.2兆円の使い道というのは

(吉野)

1年間に、実際は特別会計と一般会計は重なっているところがあるので単純に足し算はできないのですが、日本が社会保障に使っているお金を純粋に足し算すると132兆円なのです。

(深田)

132兆円というのは、とんでもない金額ですね。

(吉野)

132兆円はアメリカの国防費の総額です。

原子力空母を使ったり、核ミサイルを作ったりと全部入れて128兆円なのです。アメリカの国防力以上に日本は社会保障関連でお金をかけているわけです。僕らが払っている保険料は一般会計ではなく特別会計に入ります。すごく金額が上がっているわけです。これをいつまでやるのですかという話なのです。

(深田)

そうですよね。それだけのお金を我々から むしり取っているのですね。

(吉野)

まだ日本の国の中だけで本当に循環しているのであれば、システムは良くないけれどもお金が逃げないのであれば、いい意味で経済成長はするわけです。良くも悪くも不道徳ですけれど生活を不摂生して、癌になって、絶対に死ぬのですが、すごくたくさんの癌の抗がん剤を投与して、製薬会社、医者、病院も儲かって、お金がぐるぐる日本の中で循環しているというのであれば、道徳的、倫理的には許されないけれど経済としては回ります。しかし抗がん剤も名目上は日本の会社の体をしているけれども、外国と外資と合併したという体で実際は外資なのです。

(深田)

はい。しかも外国の方が保険を持っていないのに、持っているかのように装って高額医療を使う問題もありますね。

(吉野)

そうです。実は漏れているのです。ですから、近代貨幣理論を使う、積極経済にしようと、皆さんが言うのですが、財政の1番の問題は、実はここなのです。兆の単位ではなく、100兆ぐらいの単位で、お金が漏れている。風呂で言うのであれば、風呂に一生懸命水を入れる水を入れるって言っているのに、どんどん風呂の栓が大きくなって、滝のように水が流れている状態で、もっと大きい金額を入れている。我々が働いて毎月払っている保険料から出されている。あるいは3割負担です。昔は0割でしたけれど1割になり、2割になり、3割になり、窓口でも払っていて、それで病気になったらいけないとがん保険に入ったら、がん保険の会社は外資だった。

病気になるのも外国から農薬、除草剤を買っています。

人工甘味料を買って病気になり、治療費、抗がん剤で外貨にお金を払い、癌になりたくないためにがん保険を払い、そして死んでいく。これでは経済が回らないに決まっている。

(深田)

回らないですね。

(吉野)

ここの問題を解決してから積極経済をやらなければとどの政治家に言っても「これだけ病気が増えているのだから医学部をもっと作った方がいいのではないか。医者を増やした方がいいのではないか」と。違います。逆なのです。増やしすぎたのです。

(深田)

増やしたから、お金がどんどん使われてしまったという結果ですね。よく私も、消費税は減税するのがいいのではないかと言うとですね、財源はどうするのかと財源論をされるのですけれど、財源といってもこの無駄遣いをやめないと、ということをいつも思います。

(吉野)

そうなのです。これは本当の無駄遣いなのです。お金は確かに刷ればいいのだけれども、そうではなく、これは我々が働いた税です。財産です。これが外資に流れているわけです。どこの会社とは言いませんけれど例えばT田製薬という会社があります。その会社の株主を見たら、半分以上が外資なのです。その会社が儲けても配当金は海外に流れているわけです。

(深田)

そうですよね。

(吉野)

医療、製薬会社だけではないです。全ての会社がみんなそうなってしまっています。金融機関などもそうです。

医療は金額が大きいので漏れる額が半端ではないのです。

(深田)

百何十兆も年間で使っていたらおかしいですよね。

(吉野)

僕はもう病気偶然発症説をやめて、病気は食を含めた生活習慣でなるものだと言う事です。

病気になってから直すのではなく、ならないようにするというのが、1番金がかからないのです。

(深田)

本当にそうだと思います。 病気を予防するという予防医療の概念をもっと学校教育に組み込んで自分の体を管理する健康管理をしていけば、無駄なお金が医療費として流れていくことがなくなるではないですか。

(吉野)

そうです。皆さん予防というと、人間ドッグに行っている、きちんとがん保険や3大疾病の保険に入っています。保険に入ったからって病気にならなくなるのではないです。人間ドックというのは病気になっているところを早く見つけているだけであって、人間ドックに行けば行くほど癌にならなくなるわけではなく全然関係ない。

日本は、予防が早期発見早期治療だと言うのですが間に合いません。予防は病気にならないためなのに早期発見早期治療はすでに発症しているのです。病気にならないための予防は誰も分かっていません。

(深田)

確かに予防しておけばお金がかからない。しかも予防と言っても何か薬を飲んで予防するのではなく食でですね。

(吉野)

そうです。サプリで予防する、例えば酸素のO2を吸引する、水素風呂に入る、そうではありません。それは病気偶然発症説に基づいている商品です。例えば深田さんも小麦粉を減らしたら少し楽になった事がありました。

止めたらパン屋さんはどうするのですかと言えば米粉で作ればいいのです。米粉でパンもうどんも、ラーメンの麺も作れる。お好み焼きもたこ焼きも、餃子も作れるのです。それは国産になる。そうすれば日本が潤うのです。

安いものを買うというと、安いものを輸入しているから円が漏れているのです。国内で循環させるということからも理にかなうわけです。

(深田)

今、特に円安インフレが始まっているので、国産品をもっと使うようになれば農家の方も潤いますし、国産品で健康になっていくという、ポジティブなスパイラルが始まると思います。

(吉野)

はい。ということです。

(深田)

今回も、医療問題アナリストの吉野敏明先生に、我が国の高額医療問題をどうすれば解決できるのかということについてお話しいただきました。先生ありがとうございました。 

政経プラットフォームでは毎回様々なゲストをお招きして、大手メディアではなかなか得られない情報を皆様にお届けします。日本を変えるために行動できる視聴者を生み出すというコンセプトで作られたこの番組では皆様のご意見をお待ちしております。また番組支援は説明欄のリンクからお願い申し上げます。

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