3 キャノングローバル戦略研究所 杉山大志×深田萌絵 『地球温暖化のウソとホント』

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【目次】

  • 00:00 1.オープニング
  • 00:25 2. 杉山先生の大好きな分野 地球温暖化のウソとホント
  • 01:16 3. ホントの部分 ウソ部分解説
  • 02:10 4. 地球温暖化のせいで最近暑い?それほんと?
  • 02:24 5. 子供の頃より暑くなったのはなぜ?
  • 03:15 6. 桜の開花早くなったのはほんとに温暖化のせい?
  • 04:30 7. CO₂濃度でどのくらい暖まるかはわかってない
  • 07:30 8. ここから先、全部ウソのはなし
  • 07:45 9. 台風の激甚化について
  • 09:07 10. 大雨、ゲリラ豪雨 そんなデータどっこにもない
  • 11:04 11. 屁理屈で付ける予算と利権
  • 12:39 12. 地層からわかる 江戸時代、平安時代、縄文時代の温度
  • 16:35 13. 生態系から見る温暖化 シロクマが減ったり増えたりする本当の理由
  • 17:30 14. シロクマが氷の上に住んでいる理由とは・・・

(深田)

政治と経済の話を分かりやすく、政経プラットフォーム、ITビジネスアナリスト深田萌絵がお送りします。

今回はキャノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志先生にお越しいただきました。先生よろしくお願いします。

私は杉山先生の大ファンなので、ゲストに来ていただけるなどとても光栄です。先生、今回、先生の1番大好きな分野だと思うのですけれど、地球温暖化の嘘と本当。本当に地球は温暖化しているのかとよく聞かれると思いますが、その辺りを詳しく教えていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

(杉山)

はい、嘘と本当で、全部嘘ではないのですけど、言われていることの8割ぐらいは嘘があるのではないですかね。2割は本当なのですよ。その本当の方から言うと、いま地球が暖かくなっているのは、地球が100年で1度ぐらい暖かくなっているのは大体本当なのです。ぴったり1度かどうかとかは、ややこしくなるので、100年で1度ぐらい上がっているのは本当です。

でもね 100年で1度ですからね。深田さんはいくつか判らないけれど、仮に20歳だったら0.2度ですよね。30歳だとしても0.3度で、0.3度って感じることができますか。

(深田)

ちょっと感じられないですね。

(杉山)

頭のところの温度と足元の温度でも余裕で違うし、今と1時間前でもそれぐらい余裕で違う。だから、いや何か最近、地球温暖化のせいで暑いのではないのかと言う人は、お前0.3度が分かるのかよ、という世界ですね。

(深田)

確かに。でも子供の頃よりも夏はかなり暑くなったかな。

(杉山)

それは多分ね、歳をとったからというのは嘘で、都市熱というのが大きいですよね。ここは東京のど真ん中ですけど、周り中がコンクリートとか、アスファルトとかで埋め尽くされていて、これで随分温度が上がっている。東京ともっと郊外を比べると、もう3度ぐらい余裕で違うのですよ。

(深田)

やはりアスファルトで敷き詰めて、しかも高層ビルの照り返しで熱が籠る。

(杉山)

外を歩くと夏の夜なんてね、もうモワッとしている。あれはすごく大きくて、だから100年で3度ぐらい東京だと上がっている。それで暑いなというのはある。

あともう一つは自然の変動もすごく大きいわけですよ。もともとね、今年の桜の開花なんて、東京は入学式の時かな。この4月の7日ぐらい。あれも桜は卒業式の時に咲いていて卒業式ソングになっていたじゃないですか。なぜ今年遅かったのかと言えば、3月が寒かったのですよね。だから桜の開花が早まったのは温暖化のせいじゃないのかと言う人はいるのだけど、いやいやそんなもの変わるのですよ。

だから地球が温かくなったのは本当です。100年で1度です。でも100年で1度なのですというところが大事で、20歳の人なら 0.2度しか上がってないわけですよ。だからそんなのじゃなくて、その都市熱とか、ヒートアイランド現象とか自然変動の方がずっと大きいのですよ。

ここまでは、だから本当のことが半分ぐらいで嘘が半分ぐらいでしょう。温暖化のせいだとかあんなの全部嘘。そんなもの感じるはずがないだろう。

(深田)

そうですね確かに。

(杉山)

ここから先ね、それではこの原因がCO2かと言うと、これがまた一応国連のIPCCという科学諮問機関があって、私もそこに関係していたのだけど、そこが大体言っていることは、今まで地球が1度暑くなったのは、全部人間の出したCO2のせいだというのに近いことを言ってね。でもそれ本当かと言うと、これは実は全然よく判っていなくて、CO2濃度が増えると、どれぐらい温暖化しますかというのは、計算する人によって全然答えが違う。倍以上違うのですね。CO2濃度が増えた時に、気温が1.5度上がると言う人もいれば、4.5度上がると言う人もいれば、もっとだと言う人も。そのぐらい分かっていないのですよ。

だからCO2があれば、地球が少し温まる効果があると言うのは、それは確かなのですよ。効果はある。だけどどのぐらい温まるのか、本当に温まるのかも含めて分からないですよね。

そこはすごく今、誤魔化してやっている。そういう状態ですよ。でもCO2が地球を温める効果は、薬で言えば作用基準みたいなのがある。そういうメカニズムがあると言えばいいですか。CO2が大気中にあると、地上から出てくる熱を吸収する効果は、これCO2の分子は、そういうものだというのは、これは確かなのです。でもその結果、水蒸気がどこへ行って雲がどこにできて、地球が温まるか、あまり温まらないのか、果たしてひょっとしたら冷えちゃうのか判らないのですよ。だけどそこはもう言った者勝ちみたいな世界。いや全部CO2のせいですと言い切っている人たちが、そういう説を定説にしてしまったのです。

(深田)

そうですよね。地球変動の活動家などはCO2が見えるとまで言っていますからね。

(杉山)

それはすごいね。僕も見てみたい。

(深田)

この地球が100年で1度温かくなった。CO2は多少地球を温める効果がある。この二つは本当だけれども、このCO2の効果がどれぐらい、何度上げるのかは、よく分からない。

(杉山)

とてもよく分からない。このことは実は国連の諮問機関のレポートを見ても書いてあるのです。気温上昇は計算する人によって答えが全然違いますと書いてある。まあ大体ね、国連の事務総長グテーレスさんが地球沸騰かとかなにかと言って、何だそれはというわけです。

今までのはまだ本当が残っていた部分で、ここから先は全部嘘の話です。全部嘘の話というのは、まあ嘘の話はいっぱいあるのですけど、せっかく準備してきたから見せると、台風が激甚化していますとか、よく毎日のように自然災害化しているとか言うのですけど、いやね、それは台風が来たら大変です。

(深田)

これスライドでお願いします。

(杉山)

でもね、そんな台風なんて昔から来ていたわけで、こういうのはデータを見て確認しないと、その直感で何か最近台風が強いのではないのかとか話しても仕方がないわけです。データを見るとどうなるかと言うと、これは少し細かいのだけど、一応説明すると、過去50年ぐらいで、台風の発生数、「強い」以上の発生数と書いてあるのですが、風速33m以上になると、日本の気象庁は強い台風と言うのですね。その台風の数は過去50年ずっと変わっていない。毎年10個と15個の間ぐらいなのです。

もし台風が激甚化していると言うのだったら、右肩上がりになっていないとおかしいじゃないですか。もう全然なっていないのですよ。これは台風がそうです。台風にもいろんなデータがあって、それから大雨とかね、いろんなことを言うじゃないですか。何か雨が大変になっただとか、ゲリラ豪雨が大変になっただとか。全部そんなデータ何処にも無いのですよ。何処にも無い。あるのだったら見せてみろと、私はすごく散々言ったけど、誰も見せたこと がない。

(深田)

ゲリラ豪雨は何か、最近すごく流行っている言葉ですよね。ここ10年ぐらい。

(杉山)

昔はあんなのよく分からなかったというのが大きいと思いますね。今、何かレーダー解析で時間雨量が何mmになっているとか言うけど、昔はあんなレーダー解析は無かったですからね。

(深田)

計測できていなかっただけですか。

(杉山)

雨量計というのは何か桝が置いておいて、雨がダダダッと降って、いっぱいになるとカッチャンと倒れる可愛い雨量計しか無かったので、そんなここでものすごい豪雨が降っているなんて、そんな分からなかったのです。これが置いてある場所しか分からなかった。そんなの全国に何百か所もあるわけではなかった。

(深田)

もともと計測できていなかっただけだよということですね。

(杉山)

だから本当に地球でなにか激甚化し、災害が激甚化したとか言うのだったら、その統計の期間ってすごく長い期間見なければいけないのですよね。そうではなくて過去10年とか20年しかないようなデータを見て、上がっていると言っても、いやそれはただの計測機器が発達しただけかもしれないし、あと自然の変動だって大きいですからね。

本当にその長期的なトレンドをきちんと見たら、災害の激甚化は一切起きていない。

(深田)

まったくの嘘で、メディアが適当に言っているだけ。

(杉山)

まったくの嘘です。メディアも適当に言っているし、政府も適当に言っていますけどね。政府はそう言うと予算が取れる。国土交通省は、災害が激甚化していますので堤防を作ります。災害が激甚化しているので何か作りますと、余計なこと言わなければいいのに、必要な物だったら作ればいい。

(深田)

そうですよね。普通に作ればいい。黙って作ればいいのに。

(杉山)

役人論理だとね、今までと同じ理屈だと、今までと同じ予算しか使えないから、屁理屈でも何でもいいから何か新しいことが加わると、その分の予算がつくというのがある。

(深田)

何かそれわかります。なんだかその風景を見たことあります。

(杉山)

そうやってね、皆で経産省も国交省も環境省も利権をどんどん増やすために、激甚化、激甚化と言い続けている。

(深田)

だけど台風は増えていないし、大雨も強くなっていないし。ゲリラ豪雨もそもそも昔は分らなかった。

(杉山)

あの線状降水帯なんてもう昔は誰も見えなかったですからね。こんなの分かるわけがないじゃないですか。これでカチャカチャそんな測っているだけで。あんなレーダーとかで綺麗に何か本当に線状になっているなんてね、分からなかった。

(深田)

確かにそうですよね。

(杉山)

温暖化なんてゆっくりゆっくりしたものですから。100年で1度ですから。そんな短期間のデータだけ見ていてはだめなのです。それはもう自然の変動を見ないと。

(深田)

地球は温かくなったり寒くなったりしているのではないのですか。

(杉山)

それはもちろん歴史的にはそうですね。その嘘の話の続きをするとですね、嘘の話の続きと言うと、僕は嘘を言っているみたいだけど、そういう意味ではなくて、地球は今より温かった時期なんて、なんぼでもあって、ただ地球全体の気温というのは、なかなか分からないのですけども、少なくとも地域、地域を見れば、たとえば日本とかを見れば、今よりも温かかった時など幾らでもあったのですよ。

まず江戸時代はものすごく寒かったのです。昔、諏訪湖はしょっちゅう凍結していて、それで有名な神事があって、全部凍ったら氷の上を渡って行き、諏訪湖の真ん中でお参りとか神事をやることになった。昔は必ず凍ったからできたが、最近はあまり凍らなくなった。これは地球温暖化のせいでは全然なくて地域の変動です。

江戸時代は寒かった。それから平安時代とかは、けっこう暖かかった。あと縄文時代はとても温かくて、青森県に大きい遺跡がある。なぜあんな寒い所に大きな遺跡があるのか。

(深田)

そもそも縄文時代の服の絵とか見ると、何かペラペラですが、あれは冗談ですか。

(杉山)

あれは知らないけど、体が丈夫だったのではないですか。でもね分かるのですよ。その時の地層とかを見れば花粉が入っているでしょう。それを見ると、縄文時代は青森のあの辺は結構南にあったような、今なら温かい所にある木がいっぱい植わっていたのが分かる。貝塚とかも調べると、どういう魚や貝とかがいたのかが分かるのですよ。縄文時代は今よりだいぶ温かかったから、青森県の辺りはあんなに大発展したのですよ。

そういうのはもう世界中にあって、温かいのと寒いのとどっちがいいのかと言えば、普通人間は温かい方がいいですよ。人間はもともとアフリカで進化した熱帯の生き物だしね。服とか家とか無かったらアフリカから出てこれなかったわけですよね。

東京の平均気温は15度ですから、だいぶ寒過ぎるのです。

(深田)

裸だと寒すぎますね。

(杉山)

だから過去100年で3度ぐらい都市熱で温かくなったでしょう。もうかなりこれは快適になっているのですよね。地球温暖化で1度ぐらい上がったかもしれないけれど、それもだから実はとても快適になっている。

同じことが世界中で言えてね、寒さで亡くなっている人は世界中にたくさんいるのです。日本も大体みんなが体調を崩すのは、秋から冬にかけて風邪をひいたり、何か循環器系で倒れる人とか出てくるパターンだけど。だから日本で見ても暑さで亡くなる人よりも、寒さで亡くなる人の方が圧倒的に多いのです。これは世界中どこに行ってもそうなのですよね。あまりに急激に暑くなったらどうかという話はあるのですけど、緩やかな温暖化だったらいいことしか無いのです。

(深田)

10度とかといったら問題ですよね。

(杉山)

温暖化の話をするとね、けっこう温暖化したと言うけど、普通の人に、過去100年で何度上がったと思いますかと聞くと、5度かな、10度かなと答えが結構返ってくるのですよね。もしそうだったら大変なことなのですけど、でも1度ですから。それくらいゆっくりしたのは何も問題ではないです。

自然災害の話をしたでしょう。よく生態系はどうなのだとかと言って、なにか北極の氷がなくなると白熊が死んじゃうぞとかという話もあるのですけど、白熊は増えているのですよね。今どんどんどんどん増えている。

(深田)

どうして増えているのですか。

(杉山)

これは結構簡単でね。昔は撃ったり罠にかけたりして殺していたのですよね。それで1960年代ぐらいには全部で1万頭ぐらいに減っていたのですけど、でもその後もう動物は保護しましょうということになって、殺さなくなったら、どんどん増えちゃって、今3万頭を超えている。

(深田)

ああ減っていた原因がそもそも人間だった。

(杉山)

減っていた原因が人間なのです。それで何か氷が無くなったら白熊の住む所が無くなって死んじゃうとかいう話もあるのですけど、実際に真夏の北極は氷がなくなることがあるのです。でもその時、別に白熊は陸地に上がって、また冬になったら氷の上に戻って行くだけのことです。そもそもなぜ白熊が北極の氷の上にしか住んでいないかと言えば、これもね他の所にいるやつは人間が皆殺しちゃったから、そこにしか住んでいないという。そもそもが人間です。

(深田)

そもそもが人間でしたか。ひどい話ですね。

(杉山)

酷いかどうか分からんけど、でも現地の人は怖いですよ。僕もこの間、車で秋田県を運転していて、ツキノワグマに遭ったけど怖かった。車で走っていたら目の前に、ちっとも可愛くない。あれは鉄砲を持っていたら殺していますよ。

(深田)

他にも何か嘘ってあるのですか。明らかな嘘が。

(杉山)

もうそれ言い出すとね、この番組にはとても収まらない。

(深田)

そうですね。あとひとつだけにしていただいて。

(杉山)

あひとつね、何だろう。何か気にしていることを、言ってもらった方がいいのかもしれないですね。

(深田)

気にしていることですか。いやでもさっきお伺いした、やはり夏は確かに10度ぐらい暑くなった気がするというのが、ヒートアイランド現象だったという。

(杉山)

10度もないけど3度ぐらいですね。

(深田)

今回はいろいろ地球の気候が変動しているだとか、あとは地球がものすごく暑くなっているその原因は、全部二酸化炭素だみたいな話はほぼ嘘ということで。いま日本政府がCO2削減に向けていろんな施策を打っていますけれども、あれは一体何なのですか。

(杉山)

それは次回になるかな。

(深田)

その辺り、なぜ日本政府はCO2削減を推進しているのか。その裏については、次回にということですね。

杉山先生、今回はありがとうございました。

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